活動報告
2025年度 兵庫県写真作家協会フォトセミナー
写真家 鳥越 修「感動を伝える写真の極意」
2025年9月13日(土)神戸市医師会館4階大ホールにて鳥越 修 先生をお迎えしてフォトセミナーを開催しました。会員・会友に一般参加者も加わり総勢120名で実施しました。
セミナーの要点
演題 「感動を伝える写真の極意」
A) 写真に一番必要なことは「シャッターチャンス」
B) 被写体毎に「シャッターチャンス」を研究する
C) 瞬間を止める為の「シャッタースピード」
D) ドラマを演出する為の「露出補正」
E) あなたが感動しなければ、見る人を感動させられない
A. 写真は心と頭の芸術である。写真を楽しむためにはどこかに目的をもって出かけていく。
少しでもいい写真を撮ってもらいたい。それには準備が必要で、ある程度の力をつけておくとチャンスに恵まれた時に発揮できる。知識の差が技術の差でもある。
B、C.動物の写真は動きの中から撮る、祭りの写真はルートを調べておくなどして引き出しを増やしていく。カメラによっては(オリンパスOMマークⅡなどは)NDフイルターが内蔵されている。スローで水の流れが撮れ、角度も変えられる。星空AMも搭載されていて先端技術でよい写真ができるようになっている。絞り優先で撮るのもいいが常にシャッタースピードがいくらになっているのか確認が必要です。例を挙げると大型の鳥の場合1/800~1/1500、小さい鳥、めじろなどは1/4000にすると目玉までピントがしっかりする。
滝は1/30前後、水しぶきは1/500ぐらい、渓流は1/8前後、水量が少ない場合は1秒~5秒、水が透明になるぐらい。PLフイルターの効き目を変えてみるなど。
流し撮りの場合は1秒、1/8、1/5上手くいくと必ず入選する。
撮った写真を全国にだしてみる。いろいろなところでチャレンジする。そして自分の足りないところを知る。過去の作例を深堀りしていくことで次に進むこともでき応用もできる。
D. 思い切った露出補正をしてみる。光と影、シルエット、ハッ!とする写真は上位に入選する。デジカメを始めた方はブラケット撮影もいいのでは?いいものを知らないうちはRAWではなくJPEGで撮る。
E. 初めて訪れるところには感動がある。毎年同じコースを辿ると、心の問題ではあるけれど感動が薄れてくる。久しぶりに訪れるとよみがえる。心にとまったことがあれば徹底して撮る。写真は丁寧に撮らなければ上手くならない。
一番になるケースは、あまり人が見たことがなく、なおかつ時代を反映しているもの。
入選と入賞の違いはどう違うか、それは知識の差、技術の差である。来たるべくチャンスに備えて常日頃精進しておく。
後半は25点の作品をプロジェクターで投影、それぞれについて説明がありました。
1,インドの皺の多い老婦人の写真--日本にお婆さんはいない。
2,フラミンゴの水浴び--餌時が動きがあり、夕方が狙い目、1/2000以上でマイナス1.3補正
3,木立と彩雲--f16~f22に絞り込むと太陽の光がダイヤモンドのように輝く、等々、
シャッタースピードの大切さを力説していただきました。