第59回兵庫県写真作家協会公募展 (2026年度)
審査結果
第59回兵庫県写真作家協会公募展の審査会を、写真家 星野佑佳氏を審査員長にお迎えして開催し、応募者130名、応募総点数356点(単写真294点、組写真62点)の中から入賞25点、入選30点、合計55点が決定しました。
総評:審査委員長 星野佑佳
入賞、入選された皆さま、おめでとうございます。
さまざまなジャンルの単写真、組写真を、同じ土俵で審査するのは新鮮で責任も重く、気を引き締めて審査させていただきました。選ばれた上位入賞の作者には、複数の作品が候補に挙がった方も多く、実力のある方をお選びできたと安堵しています。
さて、(前年審査の先生も触れていましたが、)プリントのクオリティが入選、選外に直結します。上位入賞の単写真は半切に伸ばして展示されますし、組写真はご応募されたプリントがそのまま展示されるので、それに耐えうる描写力が求められます。
画素数の小さなカメラであっても、ピントやブレに注意すれば、ピントの甘い、ブレた写真より大きくプリントできます。撮影時はもちろん、作品選びの際にも意識することで、入選に近づくのではないでしょうか。
最後になりましたが、初日のセミナーにご参加いただきました皆さま、ありがとうございます。何か一つでもお役に立てる話ができていましたら幸いです。
兵庫県知事賞
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「バブルマジック」
岡 廣和 (南あわじ市)
両手を広げた女の子が見上げる空いっぱいに、無数のシャボン玉がキラキラ輝いています。シャボン玉の大小の配置による遠近感や逆光効果を演出したライト、斜めラインの空の色づきが生む動感など、隅々まで作者の力量を感じる作品です。
軸となる女の子の背景のみがオレンジ色で、黒子たる大人たちは暗い背景に溶け込ませて目立たなくした配置もさすがですね。
兵庫県写真作家協会賞 (3点)
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「静寂の村」
細道 さゆり (神戸市中央区)
人が住む気配を消した、寂しい佇まいの3枚の写真。
自転車の籠や家の前に落葉が積もり溜まる様子は、人の往来の途切れを表し、一方で、錆びた十字架の先にある扉は開いており、奥へと誘われるような引力を感じます。ミステリアスな魅力に満ちた作品です。
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「闘争」
白川 律子 (西宮市)
激しく争う2羽の迫力と、人が投げ与えた餌を求める猛禽類のギャップがユニークですね。幼鳥でしょうか。黒目がちの一羽が凍った餌をゲットして、やったーと喜ぶ感じや、空飛ぶ小さな餌に、見事な羽根を広げて挑む4羽。
彼らのさまざまな一面が伝わってきました。
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「神の使い」
橋倉 正司 (神戸市須磨区)
天使と悪魔を思わせる白と黒の猫。厳しい表情でこちらを見つめる瞳は、心の中まで見透かすようです。そんな緊張の中、猫がじゃれて噛みほどいたらしき鈴紐のほつれが、神の使いの休憩時間を想像させます。
色数を抑え、猫の造形を強調したのも効果的でした。
神戸新聞社賞
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「祈りの光跡」
龍 奈穂美 (大阪市都島区)
床に置かれた花がスポットライトで浮かび上がります。
この1枚だけを見ると光の色は控えめですが、組み2枚でステンドグラスや7色の光、聖人像を見ているので、脳内で美しい虹色の光に置き換えられ、まるで誰かを弔うような静粛な気持ちに誘導されます。光の魔法ですね。
兵庫県教育委員会賞
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「祈りの日」
仁平 憲雄 (神戸市東灘区)
「うわぁ、冷てー」と息を止めた男の子の表情や姿勢が、ものすごくいいですね。対照的な他の2人の大人顔負けの真剣な様子との組み合わせで、ストーリー性が生まれました。水の描写にも動感があり、激しい滝の音やみんなの息遣いまで聞こえそうです。
兵庫県芸術文化協会賞
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「仲良し」
入谷 雅治 (南あわじ市)
くり抜いた人型にすっぽり収まる老若男女。小さな子どものやらされている感のにじみ出た表情が面白いですね。隣にいるのはおじいさんでしょうか?とても嬉しそうです。ピースサインの2人は、お母さんとおばあさん? 楽しい想像を色々と膨らませてくれる作品です。
サンテレビ賞
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「トレーニング」
西尾 秀己 (姫路市)
まだ陰の部分や光が届いた砂紋、逆光に輝き跳ね上がる砂、選手の影が伸びる砂地と、シンプルな構図の中に砂色のグラデーションが凝縮されました。
選手たちを画面下部に集め、これから踏破していく砂地を広く配したのも、溢れるパワーの示唆となっています。
富士フイルム賞
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「神 域」
立花 惠子 (三田市)
幽遠な緑と石の造形に、鳥居の赤色が映えますね。
左右の作品は、赤鳥居以外の魅力的な要素は主役を邪魔しないよう削っているのに対し、狛犬は全体像を描いています。が、首輪の赤が鳥居の赤とリンクして繋がりができることで、狛犬が脇役に控えてくれました。
兵庫県写真材料商協同組合賞
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「湯 島」
川島 陽子 (神戸市北区)
猫の島で暮らす、のびのびとした猫たちの姿が魅力的ですね。
植物に埋もれたボートや船をつなぐロープなど、海辺の町の人の気配や生活感と猫が共存している感じが素敵です。私は猫好きなので、一度、この島に行ってみたいなと思いました。
奨励賞 (15点)
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「伝統の鼓動」
石原 修 (三木市)
4月、桜の頃に行われる滋賀県坂本の勇壮な御輿祭りを捉えた作品です。本番の祭りを正面から無駄のないフレーミングで撮影し、シャッタースピードも適切で、祭りの躍動感や雰囲気を見事に表現しています。
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「浜の手仕事」
明野 敏行 (加古川市)
蛸干しを題材にした3枚組で、アングルを変えながら巧みに表現されています。画面にメリハリがあり、異様にも見える蛸の模様を印象的に見せる感性と着眼点が秀逸です。モノクロ表現を選択したことも効果的でした。
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「光を包む」
二階 文明 (尼崎市)
黒を基調とした背景に、幻想的な光と色彩で表現された作品です。豊かな感性と優れた色彩感覚が作品の魅力となっています。何を表現しているのか想像をかき立てられ、未知の世界へ誘われるような作品です。組写真として展開しても面白い作品になるでしょう。
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「山燃ゆる」
今西 収 (尼崎市)
空の色彩にまず目を奪われます。燃え立つような鮮やかなオレンジ色の空が迫力を生み出しています。作者もその感動の瞬間にシャッターを切ったのでしょう。空と山の配置バランスも良く、構図的にも優れた作品です。
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「坂のある暮らし」
金 勝彦 (大阪市)
3枚組全体から独特の雰囲気や空気感が伝わってくる作品です。それぞれの写真のイメージづくりが巧みで、作者のセンスの良さを感じます。着眼点も良く、構図的にもまとまりのある作品となっています。
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「久 遠」
松井 誠一郎 (神戸市東灘区)
自然の息吹や土の香りが感じられる、のびのびとした作品です。中央の作品には遠くまで続く奥行き感があり、左側の作品では光の使い方が巧みで、赤い花が良いアクセントになっています。魅力的な3枚組に仕上がっています。
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「農繁期」
山本 洋子 (神戸市垂水区)
広角レンズを効果的に活用した作品です。手前にカラフルなビーチサンダルを大胆に配置し、遠景にはサンダルを脱いだ子どもたちを点景として入れることで、奥行きのある画面構成となっています。構図を十分に考え抜いて撮影されたことが伝わります。
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「風よ吹け!」
福本 辰志 (朝来市)
見事なシャッターチャンスを捉えた作品です。これほどの桜吹雪に出会う機会はそう多くはありません。ただ、人物3人の服装が花吹雪と同じ白系統であったため、やや埋もれてしまった印象があります。赤などのアクセントカラーがあれば、より印象的な作品になったでしょう。
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「浜辺の生命」
家 義信 (明石市)
アジサシのひなを題材にした3枚組です。アジサシは旅鳥であり、飛来数も多くない中、良いシャッターチャンスを逃さず捉えています。もう少し望遠で背景をぼかして撮影すると、主題がさらに際立ったのではないでしょうか。
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「炎と戦う」
中村 敏彦 (神戸市垂水区)
火祭りの迫力を見事に表現した作品です。炎の撮影は露出やシャッタースピードの調整が難しい題材ですが、その難しさを克服し、燃え上がる炎の迫力を十分に伝えています。炎の上部がもう少し入っていれば、さらに迫力が増したことでしょう。
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「指先が溶ける」
小倉 邦美 (明石市)
アイデアが斬新で、新鮮な感覚を発見させてくれる作品です。作者は何を狙っているのかと考えさせられます。手のようにも見える不思議な造形が印象的で、落下のリズムや音まで想像させる魅力があります。
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「手の存在」
野見山 かづ代 (姫路市)
異彩を放つ3枚組作品です。手の動きを奇妙かつ印象的に捉え、組写真として見事にまとまっています。色調も同系色で統一されており、新鮮な感覚の図柄が観る者の目を引きます。
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「太陽が眠る夜に」
喜友名 美幸 (三田市)
美しい色彩に心が和む作品です。色彩感覚も素晴らしく、1本の黄色いひまわりが効果的なアクセントとなっています。空の配分も良く、好条件が揃った星空を見事に表現しています。
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「青の都」
福田 あゆい (神戸市垂水区)
海外の建築物を背景にした作品でしょうか。ブルーのロングドレスをまとったモデルと、その長いドレスを引く男性の姿がユーモラスで印象的です。全体の色彩調和も良く、まとまりのある作品となっています。
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「廃 墟」
陶久 哲夫 (神戸市中央区)
手前の2本の枯れ木と山肌の組み合わせが、何を物語っているのか想像力をかき立てます。その発想の余地にこの作品の面白さがあります。空の色も美しく、構図や雰囲気づくりも良く、作者の狙いが伝わってくる作品です。
入選 (30点)
| 木俣 昌行 | 二星 亮一 | 米田 泰幸 | 松本 潤子 | 小畠 昌人 |
| 原田 文昭 | 山野 英俊 | 百々 順一 | 内田 享 | 和田 敏夫 |
| 時澤 良行 | 西村ひとし | 廣瀬 司芳 | 片山 茂 | 仲井 誠 |
| 藤野 稔 | 川添 卓也 |
武田 治 |
廣岡 敏正 |
蒲田 美智 |
| 村角 嘉章 | 指田 栄二 | 辻村 博邦 | 市嶋 久資 | 門脇多美子 |
| 村上 光臣 | 真鍋 智子 | 寺坂 好司 | 道又 俊治 | 芦田 豊 |